ソウムメイト2017”啐啄同時”

2006/02/28 [Tue]

抹茶碗の重さ

 2月25日(土)、26日(日)の両日、教室でお茶会を開きました。今回のお茶会では主に生徒の皆さん自作の抹茶碗でお茶を召し上がって頂きました。初級・中級コースの方は志野焼の抹茶碗でしたが、この志野茶碗の起こりは桃山時代にまでさかのぼるといわれています。京焼などの抹茶碗に比べて手取りが重く感じられたと思いますが、これは他のやきものに比べて素地も釉薬も厚いためです。逆に志野焼が京焼のように薄造りでは志野焼らしくなりません。
 ところで、お茶道具の中で抹茶碗ほど手取りの重さについて論じられるものは他にないでしょう。それはお茶道具で唯一、口をつけるものであり、顔の高さまで持ち上げるものであり、茶席で主客に最も長い時間触れられる道具だからでしょう。やきものの種類によってその重さはまちまちで、形や大きさによっても違います。軽ければ良いというものではなく、重いからいけないということでもありません。見た目が大きくても軽く感じるもの、小さくてもずっしりと手ごたえを感じたりするものもあります。
 だいたい抹茶碗の大きさにはある程度の寸法の範囲があり、例えば口径は筒茶碗の8cmから馬盥形の15cmくらいまで、高さは口径に反比例(一定量の液体=お茶を入れるという機能面から)して10cmから5cmくらいまでで、この範囲を超えると抹茶碗として使用するには違和感を感じてしまいます(中には例外もあります)。
 では抹茶碗の適正な重さとは一体どれくらいなのでしょうか。実は抹茶碗について書かれた出版物や文献はあまたあれど、重さについて表記してある本はほとんどありません。古くから茶人に愛された伝世の名碗なども、口径や高さは大抵ミリ単位で表記してあるのですが、重さをグラム単位などの数値では表記していないのです。稀に重さについて言及していても、「大振りな寸法のわりに手取りは軽やかである。」とか「存在感のある重さが手になじむ」など…。時には「ほどほどに薄く挽かれ快い手取り」などと、重いのか軽いのかさえ判別不能な言い回しの場合も多々あります。
 なぜ伝世の名碗の重さを数値で表記した本がないのか、理由はよく分かりません。もし載っている本をご存知の方は是非ご一報下さい。
 結局のところ、抹茶碗の重さについては他の要素に比べさほど重要ではないのかもしれません。抹茶碗を購入しようとする際に重さが多少気になっても、やきものの種類や色、大きさや形、手触りや口作りなどでお気に入りを選ぶ人が多いのではないでしょうか。
 それにしても一度でいいから国宝の卯花墻でお茶を一服いただきたい…。

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