ソウムメイト2017”啐啄同時”

2007/07/27 [Fri]

ブレッソンの写真展

 蒸し暑い日が続くようになりました。東海地方がようやく梅雨明けということで、横浜ももうまもなくでしょう。

 今週の火曜日、東京・竹橋の国立近代美術館に、アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展に行ってきました。名前に聞き覚えのない方でも、どこかでその作品をご覧になったことがあるのではないかと思います。パリ、サン=ラザール駅裏。少年とおぼしき人影が雨後にできた水溜りの上を走り飛び、着水するギリギリを捉えた瞬間。アイルランドでは、なだらかな山に続く農道に一頭の馬が画面の左、右には土手に寄りかかって会話する男二人と、馬の目先に牧羊犬。いずれもモノクロ。

 「眼の前の世界が完璧な調和を見せる一瞬を捕獲する、妥協なき芸術家であり、ガンジー暗殺や中国共産党政権の成立など、的確な時と場所に居合わせて歴史の分岐点を目撃した、すぐれたジャーナリストでもあった。」と展覧会で購入した冊子には紹介されています。

 私自身は芸術的な写真というものに対する関心がほとんどなく(芸術品を写した写真は好きです。茶碗とか)、自分でもあまり撮りませんし(教室のHPのために撮る程度)、理解が難しい分野の一つなのですが、彼の作品だけはどうしたわけかとても惹かれるものがあります。それは瞬間的に構図を切り取るという、写真ならではの醍醐味が、彼の作品には余すところなく表現されているからなのかもしれません。美術館ではそれらの作品一つ一つが、いつ、何処で、どのような場面を捉えたものかということが、プレートに表記されているのですが、それよりもそれらの作品がいったいどのような幾何学的構図によって構成されているのかを、まるでパズルか数式を解くように断片的にでも探していくことに一種の興味をおぼえます。中には戦後まもないドイツや、文化大革命に揺れる中国で撮影された、ドキュメントともいえる作品も多々あるのですが、それらもまたブレッソンが周到に用意した構図に基づいて、人々が意図的に配置されたかのようで、世界各地を旅して同様に撮影された作品がかなりのボリュームで展示されています。会期は8月12日まで。オススメです。


 水曜日は教室のお茶室で新たに茶道教室が始まりました。ご縁があってお近くにお住まいの表千家流の先生にお越し頂いて、毎月末の水曜の午後、お稽古があります。興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。

 木曜日(日記か?)は月一回の粘土や釉薬の買い出しに行ってきました。車で厚木にある陶芸材料の業者さんまで往復。車窓を流れる景色やラジオ、途中で寄る園芸店の季節の花や盆栽など、楽しいひとときです。

 さて、初級・中級の皆様には大変お待たせを致しましたが、ようやく初めての作品、備前タタラ板皿と黄瀬戸小鉢が焼き上がりました。備前焼は本焼きの前にワラを巻いた部分が火襷(ひだすき)と呼ばれる、赤褐色の窯変(ようへん)が現れます。黄瀬戸は微量の鉄分を含んだ釉薬が黄色に発色し、ところどころに施した胆礬(タンパン)の緑が、彫で描いた描線に彩を添えます。次回の受講日を是非お楽しみに。

 22日(日)には、教室のガレージでフリーマーケット(第2回目)を開催しました。そこで写真を一枚(ブレッソン風に?モノクロで)。
第2回フリーマーケットの模様07.7.22

2007/07/20 [Fri]

花と器

 昨日、九州南部の梅雨明けが発表されました。今週火曜日には京都で祇園祭の山鉾巡行も行われ、横浜も夏本番までもうあと少しといったところでしょうか。

 さて、横浜高島屋で開催中の「第17回横浜華道協会 新進作家展」に行ってきました。教室に通って下さっているT先生が自作の器に花を生けておられ、他にも多くの作品があって盛況でした。生け花をされる方は、花を生ける器を作られる時点で、イメージを持って制作されるのでしょう、教室で見た器の印象と、花を生けた印象が違って大変勉強になりました。

 会場で運良くT先生にお声をかけて頂き、すぐ作品のある場所までご案内して頂いたのですが、こういう時、先生という立場の方から私に「先生!」とお声を掛けて頂いた時の、周りの方々の反応につい恐縮してしまいます。先生が先生と呼ぶ人物とは、果たして代議士さんか弁護士さんかお医者さんか、となるのでしょうけれど、私の風貌からすると到底そうは見えないし、きっと周りの皆さんには「?」という文字が頭に浮かんでいることと思います。

 特に教室やその周辺ではたくさんの方々にお声を掛けて頂く機会が多く、その都度本当に有難い気持ちで一杯になります。但し、そこへたまたま通りかかった方から見ると「誰?」という疑念が湧くのは当然なことで、もっともっと精進して自他共に認める「先生」になれるよう頑張っていきたいと思います。

祇園祭宵山鈴鹿山07.7.15

↑祇園祭の宵山(山鉾巡行前夜)の鈴鹿山(山鉾の名前)。5年前、この鈴鹿山の旗持ちをさせて頂き、都大路を練り歩いたのも楽しい思い出です。(写真提供:Aっちゃん 京都市在住)


第17回横浜華道協会新進作家展07.7.20

↑第17回横浜華道協会新進作家展は7月23日(月)まで、横浜高島屋ギャラリー(8階)にて開催しています。
2007/07/13 [Fri]

東美と月釜

 毎日ぐずついた天気が続いていますが、それでも横浜では昨日、一昨日と午前中テニスができました。この一週間の間にスポーツ界では大きなニュースが二つありました。一つはテニスのウィンブルドン(全英)男子決勝でロジャー・フェデラーがビヨン・ボルグ以来の大会5連覇を達成したこと。私もボルグが5連覇した時(中学生だったかな)以来、午前3時過ぎの試合終了までテレビにかじりついていました。フェデラーとボルグの共通点は沢山あると思いますが、何といっても強靭な精神力につきると思います。常に冷静沈着で、ピンチの時ほど集中力を高めて素晴らしいパフォーマンスを発揮するその姿を観て、私自身も大きな勇気をもらいました。
 もう一つのニュースは皆様ご承知の通り、アメリカ大リーグのオールスター戦で、イチロー選手がランニングホームランとMVPを獲得したことです。彼もまた超人的な集中力の持ち主ですが、様々なこだわりも持っていて、試合終了後、球場でのMVP受賞のインタビューでも、わざわざ通訳を介して日本語で伝えたこと。これは日本球界でよく見られる、外国人選手のヒーローインタビューの逆バージョンを、敢えてアメリカの球場で満場の観客の前で行うという、彼独特のパフォーマンスなのだそうです。日本人としてのプライドを彼に教えてもらった気がします。

 さて先週の土曜日、浜松町の東京美術倶楽部の正札会に行ってきました。午前10時の開館と同時にダッシュで階段を駆け上がる人も何人かいて大盛況でした。

 今回も特にお目当てがあったわけではなく(先立つものも無く)、良いお道具があれば拝見させて頂こうという思いで、本阿弥光悦の孫の光甫作の茶杓や、楽四代目一入の茶入などがあって、とても楽しいひとときでした。呈茶席もあって、七夕のしつらえでお茶を戴きました。

 また、今週の火曜日は鎌倉・鶴岡八幡宮のお茶会に行ってきました。毎月10日にお茶会があって(これを月釜といいます)、当日券も販売していますので、どなたでも入れます(着物でなくても大丈夫です)。と言いましても、一人ではなかなか敷居が高いような気がして入りにくく、私も茶友が居なければ一人では無理です。

 表千家流、裏千家流、宗徧流の三席あって、特に宗徧流ではガラス製の菓子器や茶碗で、蒸し暑いこの時季に見た目だけでも涼しくという、席主の心のこもった和やかな良いお席でした。

 表千家流では、ガラスの茶道具を使うことはあまりありません。全くないわけではないのですが、他の流派に比べると少ないと思います。今回の茶会の会記を拝見したところ、「義山 ○○」と書かれていて、どうやらこれは「ギヤマン」の当て字らしいと分かりました。表千家流ではあまり「義山」という表記はしないようです。カタカナでそのままギヤマン、或いはガラスなどと書かれることが多いようです。

 同じような茶道具でも流派によって使わないものが多々あります。茶筅ひとつをとってみても、表千家流では正式には煤竹の茶筅を使い、白竹の茶筅は本来は使いません。ただし煤竹のは値段が高いので、稽古場によっては代用しているところもあるようです。

 この時季よく使われる桑小棚(くわこじょく)という棚は、表千家流、裏千家流の両方で使われますが、元々は裏千家四世・仙叟宗室(せんそうそうしつ)の好みなので、表千家流では青漆(せいしつ:深緑色の漆塗り)の同型のものがあれば、そちらのほうが良いようです。

 流派が違えば、お点前の所作も茶の点て方も違いますが、おもてなしの心は変わりません。違う流派のお茶席も新鮮な驚きがあって、お茶会の楽しみの一つです。
鶴岡八幡宮の蓮の花07.7.10

↑鶴岡八幡宮では蓮の花が咲いていました。たおやかな姿を観て、ロベルト・シューマンの小品を思い出しました。
 台風が近づいています。ご用心を。
2007/07/06 [Fri]

ロクロについて

 梅雨らしくジメジメと蒸し暑い日が続いています。もうあと半月もすれば夏本番ですね。

 さて初級・中級コースの皆さんは今週からロクロ実習に入りました。そこでロクロについて少しご説明したいと思います。

 ロクロをする前に必要な作業として土練りがあります。土練りには大きく分けて荒練りと菊練りがあります。荒練りで粘土全体の状態を均一にし、そのあと菊練りで粘土の中の空気(気泡)を取り除きます。

 ロクロは漢字では「轆轤」と書きますが、現在一般的に使われている電動ロクロは戦後から使われるようになったもので、それ以前は手や足で回すものが主流でした。

 ロクロで作品を作ることを水挽きと言います。厳密にいうと水ではなく泥が潤滑剤となって、回転する粘土と作業する指との間の摩擦を緩和させながら、指の圧力によって粘土が伸びて作品になります。この泥のことを「ドベ」と呼びます。

 私共の教室ではロクロは右回転ですが、地方によっては左回転の地域もありますし、中には萩焼のように水挽きは右回転で、削りは左回転といった特殊な地域もあります。ロクロが右回転のため、小さい作品などは左手が主な作業を担います。

 水挽きは陶芸の技法の中でも難易度が高く、初めのうちはゆがんでしまったり、へたったりしますが、どなたでも練習すれば必ず上手に出来るようになります。ちょうど自転車に乗るのと同じようなものです。但し自転車に乗ることが目的ではなくて、自転車に乗ってどこへ行くのかが肝心です。

 初級・中級コースではいくつかの技法を少しずつ習得して頂いて、自由制作の時に生かして頂ければと考えています。技術が完全に身につくまでは思うようにいかないこともあります。時には失敗することもあるかもしれませんが、皆さんがいつも楽しく陶芸ができるように、お手伝いをさせて頂けたらと思っています。
巨大スーパーマーケット07.7.3

↑教室から車で20分ほどのところにある巨大スーパーマーケットに、テニス仲間に連れて行ってもらいました♪まさにアメリカンスタイルで、倉庫のままの店内には商品がうず高く積まれ、1個単位の量がハンパでなく、チーズケーキは大きいので皆でシェアしました。食品はどれも美味しくて、日本では珍しいものも多いようです。

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Author:山手陶芸教室 ソウム課だより
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