骨董市と地デジ~良いものは残っていく
 やっと秋らしくなってきました!夕暮れ時、西の空を見上げるとセツナクなってしまうのは何故でしょう。私は必ず中学の部活の帰り道を思い出します。もう一度あの日に帰りたい…などとは間違っても思いませんが(宿題のない今がイチバン)、中学生くらいまでは、ボールが見えなくなるまでコートにいるくらい、何事にも無心だったから、郷愁を誘うのでしょうか。

 先週の土曜日、平和島近くにある東京流通センターで開催された骨董市に行ってきました。広い会場に百以上の骨董商の方々が、所狭しと品物を陳列して、見応え十分でした。

 茶道の先生から前日に教えて頂いて初めて行ったのですが。私は以前からお茶道具でいくつか欲しい物があって、中古でも安ければと思って会場では目を皿のようにして歩き回り、ようやく探し物を見つけ出し、予算は少しオーバーしましたが、お店の人に安くしてもらってゲットできました。時季を選ぶ物なので、お披露目は来夏になりそうです。

 茶道具以外にも、古い着物や和洋アンティーク雑貨などがありましたが、私は陶磁器類以外の茶道具、例えば釜や棚、火箸、鐶といったものに近頃は目がいってしまいます。今回は抱清棚(ほうせいだな)という茶道用の木地の棚があったので、買おうかどうしようか非常に悩みましたが、若干の予算オーバーと既に一つ別の茶道具を買ってしまっていたので諦めました。火箸や鐶など、炭点前で使用する物で、持ってはいるけれど、たまに格安のものがあったりした時、非常に悩みます。違う意匠だけど既に持っている物を欲しがるのは贅沢かな、などと葛藤が起こります。

 その点、漆塗の物、例えば棗とか香合などは、イイなぁと思って値札を見ると、大抵手が出ないのですぐ諦めがつきます。お茶事をするようになって、やはり毎回少しでも違う道具でおもてなししたいと思うと、色々欲しくなってしまいます。

 さて話は変わりますが、ついに我が家も地デジになりました。地上波デジタルのことで、いわゆる普通のテレビ放送(アナログ)があと4年後には終了してしまって、今までのテレビ受像機(NHK風に言うとテレビジョンセット)では観られなくなってしまいます。

 実は先日の台風で、テレビアンテナが倒れて壊れてしまい、ついでにテレビも長年の過労のせいか、たまに真っ青になったりしていたので、これを機に買い換えることにしたのです。ハードディスクレコーダーもついでに購入したので、テレビっ子に益々拍車がかかっています。

 地デジは画質が非常に良くて、今まで観慣れていたCMでも、すごく美しい映像だったんだと改めて見入ってしまうことがよくあります。

 一緒に買ったハードディスクレコーダーというのは、ビデオテープのいらない録画機で、数十時間の録画ができます。観終わった分は消去すれば、また何度でも録画できます。保存版にしたい番組なら市販のDVDにダビングして残せます。また番組欄もテレビ画面に一週間分出るので、気になる番組があったらボタン一つで録画予約できます。番組ではなく番組欄を二時間近く観ていて、目が疲れるくらいです。

 キーワードやジャンルによっても検索できるので、時間のある時に番組欄を見て、気になった番組を片っ端から録画予約しておいて、後日やはり時間のある時に録画されているものをチェックするという、非常にマイペースなテレビライフを実現できます(どこぞの回し者?)。昨日も朝起きて録画をチェックし、笠間焼の急須作りの番組と、金沢兼六園の番組を堪能しました。特にNHKは深夜に10分前後の素晴らしい番組を密かに放送していることがあり、今までは新聞やテレビ雑誌でもチェックしきれなかったので、これが好きな時に観られるようになったのも、良い点の一つです。

 今後は放送局が番組ライブラリー化していくような気がします。番組欄は過去のものでも有効になって、興味のある番組を見逃すということがなくなっていくのではないでしょうか。

 10月は2日(火)、3日(水)と横浜アリーナで骨董アンティークフェアが、5日(金)~7日(日)は東京美術倶楽部で3年に1度の特別展が開かれます(3年前の特別展では長次郎の赤樂茶碗が出品され、幸運にも手にとって観ることができました)。芸術の秋にオススメです。
骨董市にて。写メのシャッター音で驚かせてしまった店員さん、すみませんでした。

【2007/09/28 18:27 】 | 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
残暑きびしいこの頃
 横浜はまだまだ暑い日が続いています。来月以降のスケジュールは茶の湯関連の行事が目白押しですが、今年は秋が来ないなんて噂も聞こえてきます。それでも夜ともなれば虫の音が一日の終わりにやさしく響きます。

 先日、銀座の美術ギャラリーへ、HPでもお知らせした、生徒さんの写真展に行ってきました。モノクロの素敵な写真ばかりで、普段なかなか観賞することの少ないジャンルですので、とても貴重な体験をさせて頂きました。

 そのギャラリーには四畳半のお茶室があり、ずうずうしくお抹茶を一服点てて頂きました。とてもビルの5階にあるとは思えない、落ち着いた空間で、お点前をされた方もお正客も裏千家流で初対面でしたが、非常に楽しいひとときを過ごすことができました。ビルを出て、休日の都心の、ファッションビルオープンなどで賑わう雑踏にもまれながら、あらためて一期一会という言葉が胸に湧きあがってきました。

 茶の湯のおかげで、私はかろうじて季節を感じることができているように思います。
【2007/09/21 19:10 】 | 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
六本木リピーター
 台風の後、横浜は雨が降ったり止んだりで、はっきりしない日が続きましたが、今日は久しぶりに太陽も全開で気温も上がり、暑くなりました。

 先日、魯山人を見た後、上野から特急列車に乗って友人の住む笠間に行ってきました。JR友部駅からなら笠間から益子にかけて車で30分前後の距離なので、横浜から2時間で行けることが分かりました。友人に陶器やガラスのお店を案内してもらったり、仕事場を見学させてもらいました。豊かな自然に囲まれた環境で、とても気持ちが良いところです(但し常磐線の特急の横揺れは少々苦手ですが)。
笠間焼のショップ。モダンな作品も多数ありました。

鍛冶浦製陶所さんのガス窯。左にある事務いすと比較するとその大きさがお分かり頂けると思います。

同じく鍛冶浦製陶所さんにある登り窯

 さて、3日(月)まで六本木の国立新美術館で開かれていた「日展百年」のチケットを友人からもらって、まさに3日の最終日に行ってきました。
 国立新美術館の展示以外のもう一つの魅力として、レストランのポール・ボキューズが入っていることについては以前にも書いた通りです。今回はレストランを堪能している時間がなさそう(待ち時間1時間半では…)だったので、展示を観るだけのつもりで行ったのですが、やはり気になって、とりあえずどれくらい並んでいるか見るだけでもと、レストランのフロアに上がったところ、11時過ぎにもかかわらず行列がありません。これはもしやと入口の店員さんに訊ねると、すぐ入れるとのこと。そんな訳で鴨のテリーヌ、メインにナントカ海老のリゾット添え、デザートにベリーベリーのバニラアイスのせ(料理名はイメージです)をいただきました。どれも本当に美味しくて、ナントカ海老(車海老くらいの大きさ)は素揚げしてあり、頭から尻尾まで残さずいただいたので、隣のカップルもびっくりです。

 で、ランチのついでに展示を観て帰りました。日展って何のことやら正直把握していませんが、百年ということは由緒あり、権威あり、名作あり、という感覚で会場に入りますと、いきなり上村松園の「花がたみ」という、恋のために正気を失くした女性の鬼気せまる姿に圧倒され、思わず音声ガイドを借りてしまいました。

 最近は多くの美術館でこの音声ガイドを見かけます。番号札が貼られた作品の前で機械に数字を入力すると、その作者や作品の解説が音声として聞こえてきます。私は初めて使ったせいか、音声ガイド対象作品に貼られた番号札を見つけることに大層難儀しました。音声も、作品の横に書いてある解説と大差なかったので必要なかったかな、と思いました。

 陶芸の作品もいくつかありましたが、それよりも日本画の作品にとても魅了されました。伊藤深水の「聞香」では、香道における精神描写の妙、福田平八郎の「雨」では、日本人なら誰でも感得できる叙情性を、大胆な構図で表現してあり、これらは単なる美術鑑賞の領域を超えて、日常生活の根底をなすものに問いかけてくるような、非常に感銘を受ける作品でした。

 陶芸も、美術も、生活と密接であればあるほど、毎日が豊かに過ごせるような気がします。
【2007/09/14 18:15 】 | 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
魯山人と鮎
 台風が関東地方を縦断していきました。横浜は朝方まで強い風雨で交通機関にも影響し、今日は出勤するだけで疲労困憊という方もいらっしゃったのではないでしょうか。

 無事「ひかり」を導入しました。テレフォンサービスの担当の方、お世話になりました。超カンタン設定マニュアルというCD-ROMがあったのですが、自力で設定なんてとても無理でした。

 先日、日本橋三越の北大路魯山人展に行ってきました。「器は料理の着物」という発想から、料理を引き立て、かつ使い勝手の良い器を制作し、織部や志野、或いは絵付け等にも優れた作品を残しました(10月3日(水)午後10時からNHK総合で魯山人の番組が放送予定のようですので、是非ご覧頂ければと思います)。

 今回の展示で特に興味深かったのは志野焼の土に関する記述で、本来の志野の土だと食器としては耐久性がないので、魯山人は志野焼に信楽の土を使って強度を持たせ、食器としても耐えうるものにした、と書いてありました。それを読んで思ったのは、桃山時代の志野茶碗もまた同様に焼き締まっておらず、むしろそのやわらかさが茶人に好まれたのではないか、ということでした。

 さて、会場に展示された一部の作品には実際に料理を盛り付けて、より魯山人の目指した器の志向が理解しやすくなっていました。個人的には皿に盛られた鮎があまりにリアルで、本物なのかダミーなのかといったことのほうに興味が移行してしまったのですが…。

 鮎と言えば私の郷里の岐阜県では夏のご馳走の一つです。お盆に帰省した折、揖斐川の上流の簗(やな:川に仕掛けたワナのこと。総じて川沿いにある鮎料理の店を指します)に食べに連れて行ってもらったのですが、鮎のヒレに化粧塩をせず炭火で焼くため、ヒレはもちろん、頭から骨まで全部美味しく頂きました。また郷里では鮎を塩焼きだけでなく、味噌田楽や雑炊にしたりして頂きます。海のない地方ならではの、川魚を飽きずに食べる工夫だと思います。

 ようやく朝夕は風も涼しくなり過ごしやすくなってまいりましたが、夏の疲れが出る頃です。たまには贅沢して美味しいものでも食べてスタミナをつけましょう。
味噌田楽の鮎。塩焼きだけでは物足りないのです

【2007/09/07 16:23 】 | 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
| ホーム |