ソウムメイト2017”啐啄同時”

2006/06/09 [Fri]

清流無間断

 前回濃茶の説明をさせて頂いた時に「茶事・ちゃじ」という言葉が出てきました。
 表千家茶の湯入門・下巻(主婦の友社刊)によりますと「茶事こそ、茶の湯における、正式かつ最高のもてなしです。(中略)茶の湯の本来の目的は、この茶事であり、点前に始まる日頃のけいこは、この茶事のための割りげいこともいえるのです。」とあります。「割りげいこ」とは点前の最も基本的な所作(立ち居振る舞い)をとり出して、部分的にけいこすること、とあります。
 茶道教室では主に「薄茶点前」と「濃茶点前」を中心にけいこするのが一般的です(本では稽古をひらがな表記にしています)。薄茶点前とは薄茶を点てる際の所作全般のことです。薄茶を点てるのにまどろっこしい作法があって面倒だと思われる方もいらっしゃるでしょう。テーブルで茶碗にポットからお湯を注いで茶筅でシャカシャカして飲んでも味なんて大差ないと思われるかもしれません。ところが案外そうでもないのです。パスタを食べるのにフォークで食べるか箸で食べるかぐらいの違いはあります。私の場合は独りで薄茶を飲む時も「薄茶点前」をして飲まないと飲んだ気がしません。
 で、再び表千家茶の湯入門・下巻(主婦の友社刊)によりますと「濃茶一服を最もおいしいものに盛り上げるために、炭点前をし、懐石を供し、薄茶をさしあげます。」とあります。茶道ではお茶は一杯、二杯ではなく一服、二服と数えます。それから炭点前とは釜の湯を沸かすために炭をつぐ際の所作、懐石とは食事のことです。
 五月から十月までの時季は風炉という火鉢のようなものの上に釜を載せ(茶道では釜をかけると言い、大寄せの茶会の事もそう言います。例えば、○○先生が××八幡宮で大寄せの茶会を開いた、というのは、○○先生が××八幡宮で釜をかけた、となります。鎌をかける、とは違います)、湯を沸かしてお茶を点てるのですが、表千家流の一般的な風炉の正午(しょうご=昼食がらみ)の茶事の流れは、懐石(昼食)、炭点前、中立ち(なかだち=ハーフタイム。トイレ休憩のようなもの)、濃茶点前、炭点前(最初の炭点前を初炭=しょずみ、二回目の炭点前を後炭=ごずみ、のちずみ、とも言います)、薄茶点前、となります。所要時間は四時間が目安で(と聞くと長いようですが、友達が家に遊びに来て昼食を食べてお喋りしてコーヒーを飲んで帰ったらそんなもんです)その間ずっと正座です(男性の客なら懐石の時などは胡坐だったりします)。茶道を学ぶ者にとって茶事を行うことが最終目標なのですが、一度や二度行えばそれで良いというものではなく、季節や時間帯、そして客組み(きゃくぐみ=客の組み合わせのことで、一般的に客は三人から五人くらいです)によって趣も変わり、まさに一期一会の真剣勝負です。
 常のごとく長くなってきたので今回はここまで。実は先日この茶事を初めて行いましたので、次回その顛末をご報告したいと思います。

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