今週はお天気に恵まれました。事前に雨を見越して予約しておいたテニスコートが全て晴れたため、三日間で5ヵ所を回ることになり嬉しい悲鳴でした。今度の日曜は大寄せの茶会でお点前をさせて頂くので、できればそれまで晴れていて欲しいと願っています。

 さて先週から初級・中級コースがスタートしました。私共の陶芸教室では随時入会ではなく、約10ヶ月に一度募集をさせて頂いており、平成16年の11月に開講してから今回で第四期目を数えることとなりました。

 毎年初回にお話させて頂く、やきものの種類と陶芸の制作工程については昨年7月の頁(2週に亘っています)をご参照下さい。最初から専門用語で小一時間お話ししましたので、ひょっとすると退屈だったり苦痛だったかもしれませんが、知識として知っておいて頂くと、デパートの食器売り場でも、旅先の民芸品屋さんでも楽しみ方が少し増えるかなと思います。

 さて先日国宝の井戸茶碗「喜左衛門」とどんな道具を合わせるかという内容で書きましたが、平成十七年の秋にこの「喜左衛門」が使われた茶会の資料がありましたので書き出してみました。

 如庵茶会記

  濃茶席          孤篷庵 東京世話人

    待合

床 萩 不昧賛 春川院画

 香合 存星(遠州蔵帳) 柚 箱 遠州筆 鈍翁旧蔵
  炭斗 唐物底四方
  羽箒 鸚鵡 不昧寄進之内
  火箸 明珍 在銘
  鐶  万字(宗和好) 徳元在銘
  釜敷 時代籐組 内箱 辻宗範筆 外箱 鈍翁筆
  灰器 丹波
  灰匙 朝鮮砂張

    本席  国宝 如庵
床 雪舟(雲州蔵帳) 円相 箱 不昧筆 伊川院極
 花入 遠州作 二重切
 釜  芦屋 真形
 風炉 芦屋 
 水指 南蛮縄簾(遠州蔵帳) 箱 宗香政峯筆 鈍翁旧蔵
 茶入 飛鳥川(名物) 銘 葛城 箱 宗友筆
     袋 安楽庵、間道
 茶碗 喜左衛門井戸
 茶杓 遠州作 有馬山
  蓋置 青竹
  建水 砂張
 御茶 錦上の昔 柳桜園
 菓子 初紅葉  両口屋製
 器  縁高
  煙草盆 青漆 糸巻竹彫象嵌入手付
  火入  織部
  煙草入 宝珠形具利
  煙管  好水口一双


 本来ですと会記は縦書きなのですが、インターネットという制約上やむを得ず横書き表記です。漢字の羅列で、非常に分かりづらいですが、要するに非常に由緒ある道具ばかり集めて茶会を開いたということが書いてあります。
 茶室は現在愛知県犬山市にある国宝の如庵(じょあん)。元々は織田信長の弟、織田有楽(おだうらく)が京都建仁寺塔頭正伝院に作った二畳半台目(にじょうはんだいめ:いわゆる2.5畳の狭さ)の茶室で、幾度か移築されたのち現在地に落ち着きました。
 その他、掛軸は雪舟。水指、茶入は小堀遠州が愛玩したもので、花入、茶杓も遠州作なので、或いは遠州流の茶席だったかもしれません。

 ちなみに会記のそれぞれの行の書き出しの位置が、微妙に違います。これは道具の格の違いを表していて、例えば蓋置と建水は他の道具よりも少し(一文字くらい)下げて書き出します。また道具を書き連ねる順番も決まっていて、本席の道具は必ず床(掛軸)から始まります。上記では本席の前に待合の炭道具も書き出していますが、一般的なお茶会ですと炭道具などは陳列しないので、本席の床の次に花入を書き、続いて香合と書き進めます。これはお茶会で正客になった時に、席主に道具について訊ねる順番なので、茶の湯の世界では覚えておかなければいけません。

 上記はもちろん一例ですので、「喜左衛門」と他の道具との取り合わせは無限にあります。流派によって特徴も出ますので、同じ道具でも印象が違って見えることもありますが、それもまた茶の湯の楽しみの一つなのです。
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